物語はハッピーエンドで

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【小説】「一夢庵風流記」(隆慶一郎)。ネタバレなし

★★★★☆

あらすじ

戦国末期、天下の傾奇者(かぶきもの)として知られる男がいた。派手な格好と異様な振る舞いで人を驚かすのを愉しむ男、名は前田慶次郎という。巨躯巨漢で、一度合戦になるや、朱色の長槍を振り回し、敵陣に一人斬り込んでいく剛毅ないくさ人であり、当代一流の風流人でもあった。そして何より、自由を愛するさすらい人でもあった。故あって、妻子を置き旅に出た男の奔放苛烈な生き方を描く時代長編。

作品情報

  • 著者:隆慶一郎
  • 掲載期間:1988年 - 1989年

感想

人気漫画「花の慶次 ―雲のかなたに―」(原画:原哲夫)の原作小説。

もちろん人気になっているだけあって漫画の「花の慶次」は面白い作品ですが、原作の「一夢庵風流記」はそれ以上に面白い傑作の時代小説です。

加賀100万石の前田利家の甥に当たる前田慶次郎が主人公。
漫画版は呼びやすくするためか「慶次」と略していますがが、原作好きからすると慶次郎は慶次郎以外にありえないです。

傾奇者。漢(おとこ)が惚れる漢、前田慶次郎。
天下無双の戦人でありながらも、高い学識もある風流人、そして権力者にも媚びず自由に生きる自由人。

自分には絶対にこんな生き方は無理だと分かっていても、憧れてしまうその生き様。

面白い時代小説は、と聞かれたら真っ先に思い出すのはこの作品ですね。オススメです