★★★★
あらすじ
吉田大八監督が朝井リョウの同名小説を映画化。ありふれた時間が流れる金曜日の放課後。誰もが認めるバレーボール部のスター・桐島退部のニュースが駆けめぐったことから、校内の人間関係が静かに変化していく。
作品情報
- 監督：吉田大八
- キャスト：神木隆之介/橋本愛/東出昌大/山本美月/松岡茉優
- 公開：2012年
- 原作小説：朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』
ネタバレなし感想
タイトルが気になっていた作品。原作小説は未読。
主人公がいない「群像劇」とかいうやつですね。
この映画はエンタメ性は低くて、ストーリーが面白いというものではないです。少なくても、分かりやすい面白さ、ではないです。
ですので娯楽映画とか、青春学園物語を期待してみると退屈に感じてしまうかもしれません。
かく言う私も、最初観たときは何が面白いのかさっぱりわからなく、でも二回目観ると。なんだか面白く感じてくる。何かそんな感じの映画です。
ストーリーを追っていくよりも、登場人物たちの感情を追っていくほうが楽しいですね。
バレー部のエース桐島君が、バレー部をやめるという情報が流れることで、クラスや学校内で不協和音が生じて、部活やら恋愛やら友情やらの動きが出てくるわけですが、何か特別に大きな出来事が起こるわけでもなく、軽いいざこざが生じる程度です。
「軽いいざこざ」と書きましたが、それは物語的には「軽い」出来事ということであって、実際の高校生からしたら「重い」出来事になるでしょう。そこがリアルであるとも言えます。
「クラス内のカーストを描いたリアルな作品」みたいに宣伝されていますが、学園カーストを描いた作品ではなくて、普通の高校生活の一幕を切り抜いた文芸的な作品って感じがしますね。
現役学生かそれに近い人たちが観たら普通すぎて、身近すぎて、何とも思わないんじゃないか、という気はします。
どちらかと言えば、学校を卒業したオトナたちが、そういえば高校時代はこんなんだったなぁとか、こんなようなことあったなぁとか、いろいろと思うところが出てくる青春群像劇ですね。
