★★★★
概要
『ローマ人の物語』(ローマじんのものがたり、ラテン語: RES GESTAE POPULI ROMANI)は、塩野七生による歴史小説。「なぜローマは普遍帝国を実現できたのか」という視点のもと、ローマ建国から西ローマ帝国の滅亡までを描いている
作品情報
- 著者:塩野七生
- 出版社:新潮社
- 出版年:1992年~2006年
- 巻数:15巻
知力ではギリシア人に劣り、体力ではケルトやゲルマン人に劣り、技術力ではエトルリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣るローマ人だけが、なぜ巨大な世界帝国を繁栄させることができたのか? ささやかな建国伝説から始まる一千年の興亡史がいま幕を開ける。
感想
ローマ建国から西ローマ帝国滅亡まで、まさにローマ1000年の歴史を描いた超大作。
ローマ帝国に興味がない人でも「ブルータスお前もか」で有名なユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)やアウグスティヌス(初代皇帝)とかの名前は聞いた事があるのではないでしょうか。
あるいは「Fate/Grand Order」(以下FGO)をプレイしている人なら、皇帝ネロ(第五代皇帝)やロムルス(ローマ建国)などお馴染みでしょう。ああ、FGOには太っちょカエサルも出てますね。
超有名な人の名前くらいしか知らなく、日本人にはそんなに馴染みのないローマの歴史を、わかりやすく、そして面白く伝えてくれる希代の名著。
王政からはじまり、元老院による共和制と変わり、それからユリウス・カエサルやアウグスティヌスにより帝政(帝国)になり、パスクロマーナ(ローマによる平和)と呼ばれる平和な時代もあったけれど、時が経ちそれも衰退していき、強大だったローマ帝国も最後は蛮族に滅ぼされる。
栄枯盛衰というか、諸行無常というか、最後はちょっと寂寞とした気分になりますね。
ローマのことを知れる最高の作品だと思いますが、とはいえ全15巻の相当な大作ですので、歴史好きな人でないとなかなか手は出しづらいと思います。15巻も全部読んでられないと、つまみ読みしたい人は2巻「ハンニバル戦記」と4巻「ユリウス・カエサル ルビコン以前」5巻「ユリウス・カエサル ルビコン以後」の3冊をオススメします。
全15冊のなかでもこの3冊が一番興奮できて面白かったですね。とくに2巻の「ハンニバル戦記」は一番戦闘が白熱する巻ですので一番のオススメです。
FGOが好きなら7巻「悪名高き皇帝たち」がいいですね。狂気の皇帝カリグラや暴君ネロは本当に悪い皇帝だったのか?。ただ、いきなり7巻だけ読んで、全体を把握できるかどうかはわかりませんが