★★★☆
あらすじ
ニューヨークに住むパプキンは人気コメディアン、ジェリー・ラングフォードの大ファン。ある日、やはり熱狂的なラングフォード・ファンであるマーシャと知り合い、2人で大胆な作戦をくわだてる。なんとラングフォードを誘拐し、替わりにパプキンがTVショーに出演しようというのだ。ラングフォードを縛りあげ、TV局に向かうパプキンだが……。
作品情報
- 監督:マーティン・スコセッシ
- 出演者:ロバート・デ・ニーロ/ジェリー・ルイス
- 公開年:1982年
「キング・オブ・コメディ」の感想
内容など何も知らずに、ただタイトルから、コメディアンの成功物語で夢のある物語と思って見ていたら……なにか様子が違う……ってか真逆じゃないかーーかーこれーーー😅💦
いや、真逆ではないか。でも皮肉だよなぁ。
んーー「ジョーカー」が「キング・オブ・コメディ」をリスペクトしていたというのはこういう意味だったのね。
物語を超簡単に説明しますと、妄想癖のある男が、芸能界に憧れて、自分を売り込むため超人気芸能人に近づいて…いろいろやっちゃうお話です。
主人公のルパート・パプキン(ロバート・デ・ニーロ)は妄想癖のようなものがあり、今で言うストーカー的行為も行うのでサスペンス的な怖い部分があり、でもこの主人公の行動にちょっと滑稽な笑っちゃうような部分もあり、サスペンスとコメディが混ざったようなブラックコメディ的なストーリーで、笑うに笑えない、何とも痛ましい気分になる映画ですね…。
なんと言ってもこの主人公のルパート・パプキンの気持ちが全く分からないわけでもない、ところがより痛ましさを感じさせます。
人気者になりたい、有名人になりたい。自分には才能がある。20代前半くらいまでは私だってそんなふうなことを思うことはあって、インタビューされたらどう答えようかとかくらいは考えた事はありますよ😅
でも社会人になって働き出すとそんな気持ちも薄れていくわけですが、それが薄れずにより濃厚に偏執狂的になっていったのがルパート・パプキン(ロバート・デ・ニーロ) なのであって、けっして「狂気」などという人外のレッテルが貼られるものではないと思うのですよ。
少々思っていたのとは違う映画でしたし、笑える楽しい物語でもないですが、ロバート・デ・ニーロの怪演を含めて、なかなか印象に残る映画でした。