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【本】「批評理論入門『フランケンシュタイン』解剖講義」を読んでみる

概要

批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書かれるのかを明示する。
続いて「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を平易に解説した。技法と理論の双方に通じることによって、作品理解はさらに深まるだろう。多様な問題を含んだ小説『フランケンシュタイン』に議論を絞った。

作品情報

  • 著者:廣野 由美子
  • 出版社:中央公論新社
  • 発売日:2005/3/1

感想

メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』という作品を用いて、第一部で小説の技法を、第二部でいろいろな文芸批評をわかりやすく簡潔に説明してくれています。

小説の技法や文芸批評などは知らなくても小説は十分に楽しめますが、知っていると、今までとは違った見方が出来そうで、興味深く読めました。

また題材がフランケンシュタインというのがいいですね。
多くの人は、原作は読んだことはなくても、他の媒体らでイメージは持っていて、大まかな話は知っている作品。
題材をひとつの作品に絞ってくれているおかげで、批評理論が理解しやすくなっています。

第二部の「批評理論篇」などは、私のような初心者にも分かりやすいように、文芸批評のさわりの部分を解説してくれる感じで、本格的な「批評理論」になったらおそらくもっと断然難しいのだろうなとは思いますが、「批評」と一言でいっても「精神分析批評」「フェミズム批評」「マルクス主義批評」などなど、たくさんの批評理論があるんだ、と知ることが出来ます。

私は小説とかは書きませんが、小説とかを書く人には第一部の「小説の技法」などは役に立つかもしれないですね!

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