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【本】「逆説の日本史」(井沢元彦)の紹介。

★★★★

概要

『逆説の日本史』(ぎゃくせつのにほんし)は、小説家の井沢元彦による日本史を扱った書籍。
小学館発行の『週刊ポスト』誌平成4年(1992年)1月1日号から連載されており、ある程度内容がたまると小学館から単行本として刊行され、さらに小学館文庫に収録されている。

「逆説の日本史」の感想

本書を読む前のイメージは、歴史のトンデモ説を紹介するような本だと思っていました。たとえばジンギスカンは源義経だ、みたいな。
しかしこれはそのようなトンデモ説紹介の本ではなく、日本の歴史学の欠陥を指摘し、これまで軽視されてきた「言霊、和、怨霊、穢れ」などの観点から歴史の事実を探っていこうとする本です。

もちろん私などは歴史への深い知識を持ち合わせているわけではないので、この本書に書かれている説がどこまで正しいのかなどはわかりませんが、素人ながらに読んでいて、へぇなるほどなぁと思う所や、それはないんじゃないかな、と思うところもあったりで、なかなか歴史的好奇心を刺激させてくれます。

あと著者の井沢さんは、だいぶ攻撃的に権威主義や史料至上主義などを否定し、呪術や宗教的側面が軽視されていることを口が酸っぱくなるほどに主張されていて、読者には井沢節と呼ばれているようですが、これが善くも悪くもかなり頻繁にでてきていまして、最初の内はそれも楽しかったのですが、何十回と続くとさすがに、またか…という気分にはなりますけれど😅、これもこのシリーズのウリということですね。

現在は文庫本で24巻の明治時代まで続いていてまだ継続中であって、いまから全部読むのはなかなか大変ではありますが、物語ではないので興味のある時代だけ読むのでもいけますし、個人的には史料が少ない古代~中世あたりのほうが、史料が多い近代よりも、「逆説」といってもよいような面白い説がたくさんありましたので、興味のある方は最初のほうだけを読む、というのもありだと思います。

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