【映画】「ザ・マジックアワー」の感想。ネタバレちょっとあり

★★★☆

あらすじ

前作「THE有頂天ホテル」から2年、三谷幸喜が満を持して贈る渾身のノンストップ・コメディ!街を牛耳るボスの愛人に手を出してしまった男が、命の代償に伝説の殺し屋を連れてくるよう命じられるが見つからず苦肉の策を実行するが…。口からでまかせばかりの男、お茶目な無名の俳優、街を牛耳る暗黒街のボスを中心に、彼らと彼らに巻き込まれていく人々の“おバカ”な様を描く。

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佐藤浩市

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作品情報

監督：三谷幸喜
脚本：三谷幸喜
出演者：佐藤浩市/妻夫木聡/深津絵里/綾瀬はるか/西田敏行
公開年：2008年

感想

クラシックな映画の世界と現在の世界とが混ざり合ったような不思議な世界観。
昭和初期くらい？を思わせるようなレトロな風景、車、髪型、人物。街を牛耳るヤクザとか完全に昭和の設定。
だから時代が昭和の映画なのかなと思いきや、携帯とか使ってるし普通に現代なんですよね。

マジックアワー。日没後の「太陽は沈み切っていながら、まだ辺りが残光に照らされているほんのわずかな、しかし最も美しい時間帯」とのこと。

レトロな映画の世界と現実の世界が溶け合った、この舞台の港町全体を「マジックアワー」に掛けてるのかなぁと思わなくもない不思議空間を演出しています。

ザ・マジックアワー

ところどころに古い映画のオマージュらしきものが入っていますが、これはだいぶ映画好きじゃないと何のオマージュなのか分からないんじゃないかなぁと思います。私もハッキリと分かるのは「カサブランカ」くらいでした。

物語は「勘違い」「すれ違い」コメディです。
お話全体がコメディですので、笑いの感性的に合う合わないはありそうですが、売れない三流役者(佐藤浩市)とヤクザのボス(西田敏行)とのやりとりは面白かったです。

ただ、この「すれ違い」コントって、偶然が重なって「すれ違い」が上手くハマっちゃって面白くなるというやつですので、それを長い時間でやってしまうと、無理に無理が積もっていって、リアリティはどんどん減っていって、面白みも低下していっちゃうのですよね。
現実と映画が混ざり合った「マジックアワー」空間のおかげで、非現実的な状況でも受け入れられやすくはなっていますが、佐藤浩市さんと西田敏行さんの最初の出会いの個所が笑いのピークだったのはちょっと残念ではありました。

あと賛否が分かれそうなのはラストの展開でしょうか。
個人的にはちょっとおふざけが過ぎてるように感じましたが、これも何かの映画のオマージュなのかなぁ。幻想的空間「マジックアワー」の終わりということであえてハチャメチャにしたのかもしれません。

笑いの好みで合う合わないはありそうですが、コントを楽しむような感じで気楽に見るのがよい映画かと思います。