物語はハッピーエンドで

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【映画】「まあだだよ」感想

★★★☆

あらすじ

黒澤明監督が敬愛する随筆家・内田百閒と教え子たちの交流を、ほのぼのとしたタッチで描いた監督83才の遺作となった作品。作家活動に専念するために教師を退職する百閒先生。しかし教え子たちは百閒先生の家を訪れるようになる。先生の家を舞台に、先生と教え子を巡る様々なエピソードが人情味豊かに綴られていく。先生の誕生会での「もういいかい(死んだかい)?」「まあだだよ」との『かくれんぼ』の台詞そのままに、叙情詩のような情景を織りまぜた、黒澤監督得意のヒューマンドラマ。

 

まあだだよ

まあだだよ

  • 松村達雄
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作品情報

  • 監督/脚本:黒澤明
  • 出演者:松村達雄/香川京子/井川比佐志/所ジョージ
  • 公開年:1993年
  • 上映時間:134分

感想

戦前から戦後の大変な時代でも諧謔を忘れず、飼っていた猫がいなくなったときはボロボロにやつれるほどに意気消沈し、沢山の門下生たちに慕われる内田百閒先生。

その百閒先生と門下生たちの交流の物語。

お話としてはそんなに面白いものではないのだけれど、何か沁みてくる映画ではありました。多分若いときに観るよりも、年取って観たほうがより沁みてきそうだな、という感じがします。

体調不良で倒れた百閒先生。最後は「もういいよ」と言って終わっちゃうのかと思っていたら、夢うつつの中、「もういいよ」と言いそうになりながらも「まぁだだよ」で終わらせたあたり、老境に達しながらもまだまだこれからだ、という思いが込められているのだろうか。